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OGeC022 (Sakurano Cup #3)

解説 : OGeC022(D)

  • 図1から、家屋が密集せず点在している散居村(散村)と推測できます。
  • 図2を(目を凝らして)見ると、それぞれの家屋は屋敷林に囲まれており、(画像における向きとして)家屋の右側や下側に多くの木々が植えられている様子が読み取れます。
  • 表1を見ると、気温と降水量から日本海側気候で冬には降雪があると推測でき、さらに秋~春先に南南西からの風が卓越するとわかります。

方向

屋敷林で知られる地域はいくつかあります。それぞれの地域での屋敷林の役割は様々ですが、(季節風や台風などの)防風、防雪、日差しの緩和などがあります。特に雪の多い地域では、雪から家屋を守ることも重要です。したがって図1の上方向は、家屋に対する屋敷林の位置、雪の降る冬の風向から「東」と判断できます。

路線

富山県の砺波平野は散居村が広がることで知られる代表的な地域です。砺波平野は上記の日本海側気候であることとも合致します。図1の上向きが東であることに注意して砺波平野を探すことで、鉄道路線は「城端線(じょうはなせん)」とわかります。以上から、特に解答すべき答えは東城端線です。

補足:砺波平野の散居村と屋敷林について[1]

砺波平野は、庄川と小矢部川によって形成された複合扇状地です。扇状地は一般的には水はけがよく水田耕作には不利とされますが、①流域の降水量が比較的多く、冬季には多雪であり、庄川の豊富な水資源を利用できること、②庄川扇状地は緩やかな傾斜地で、用水路を建設することでどこでも水を確保しやすかったことから、砺波平野には水田が広がっています。農家は水の確保が容易であり、それぞれの家の周りに水田があることで稲の手入れがしやすい作業利点が好まれ、家が密集する集村ではなく点在する散居村が形成されました。

砺波平野の屋敷林は「カイニョ」と呼ばれ、散居村の家々をスギを主とする高木や園芸用の低木などが囲っています。カイニョは多面的な機能があり、防風や防雪、日差しの緩和のほか、住宅や日用品の材料、燃料、食料などにも利用され農家の生活を支えてきました。主に秋~春の風雪から家を守るため、カイニョの高木は家の南面や西面に配置され、家の玄関は東向きに設置されることが典型的でした。この地域で東向きに玄関のある伝統的な住居を「アズマダチ」と呼びます。

参考文献: 1) 総合地球環境学研究所(2022)「地域の歴史から学ぶ災害対応-砺波平野庄川流域の散村と伝統知・地域知-」Eco-DRR プロジェクト

問題画像の場所: リンク